再生現場での経営者心理
経営再建の現場では、経営者心理が重要なポイントとなります。
中小企業・小規模事業者の再生では、経営資源が限られていることは言うまでもありません。
その中で、特に経営者は再生の当事者になるため一番矢面に立ちます。
再生現場を経験すると当事者(経営者)の心理状態によって再生が可能か?不可能か?が
決まってるように思います。当事者(経営者)は、資金繰りの度合いで心理状態がコロコロと変わります。
お金は、魔法のようなものですね。人の心を瞬時にして変えてしまうのですから・・・
当事者(経営者)のグラついた心理状態であるにも関わらず、経営再建がドンドン進められ、
本来、主役なのに置き去りにされ再生支援者が主役となってしまったケースを良く見ます。
そのため、当事者が経営再建について、「支援者がなんとかしてくれるのでしょう。」と
他人事のように捉えてしまいます。
結果は当然のように、途中頓挫するか、表面だけを再生してしまい当事者の心が定まらないままに
バトンタッチして、途端に以前の状態に戻ってしまいます。
この、心が定まらない(経営者心理)とは何でしょうか?
それは、「覚悟」です。
経営再建が必要な中小企業・小規模事業者の経営者は「覚悟」が必要とされます。
これが、経営再建の最大のポイントといってもいいかもしれません。
経営者自らが「変わる覚悟」です。
大企業であれば、任期を務めあげ交代ということはあり得ます。
しかし、中小企業・小規模事業者の経営者は、そのような楽な道はないのです。
中小企業・小規模事業者の経営者の代わりがいません。
「覚悟」を決めた時、人間は強くなります。
「覚悟」を持って、経営再建に挑むかどうかで会社・事業が存続するか未来が
変わってくると思います。
そのため、再生支援者は経営者の心に寄り添うこと、経営者の心理状態がどうなのかを
気にして進めていくことが大切なことではないかと感じています。